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積立投資の有効手段『ドルコスト平均法』〜定量購入法と定額購入法の違い〜

更新日:2023年4月28日

資産形成や資産運用をはじめる際、まずはどんな金融商品から投資していこうかと考える方が多いのではないでしょうか。どうやって資産運用していこうか運用方法で迷われる方も多いと思います。 資産形成や資産運用をするにあたっては、それぞれの置かれた環境(年齢や職業、リスク許容度、投資期間など)に応じて資産の作り方や資産の運用方法も変えるべきです。 今回は、長期投資で有効な方法と言われる「ドルコスト平均法」についてみていきましょう。


【定量購入法と定額購入法】

投資の世界では、リスクを低減させるために「分散投資」という方法が広く知られています。分散は大きくわけて、株式と債券といった具合に異なる商品へとわけて投資する「商品分散」、投資する先(企業)などを複数にわけて投資する「投資先分散(銘柄分散)」、投資の時期を複数回にわけて投資する「時間分散」と、という3つの方法があります。しかしながら、分散投資はただ分散させればいいというものではありません。ただただ銘柄を複数本持つのではなく、値動きの違う資産の組み合わせをすることにより分散投資は成り立ちます。分散投資を行うことによりいかにリスクを低減させ、リターンを得ることができるかを考えることが重要です。 今回のドルコスト平均法はこの中の時間分散に着目した投資方法になります。 投資の基本は「安く買って、高く売る」ことです。しかし、「今」が安いと思って買ってもその後もっと安くなることもあります。実際に専門家の方が、今が安い買い時と言っていてものその後下がることも多いです。本当のところ「今」が安いのか高いのかなんてことは専門家でも分かかりません。それだけ「安く買う」というのは難しいことです。そこで、1度に全ての資金を投入するのではなく、複数回に分割して投資し、購入時期を分散させリスクを小さくする方法が時間分散です。(例えば毎月投資していく、毎年投資していくなど。) 時間分散といっても大きく分けて「定量購入法」と「定額購入法」という2つがあります。ドルコスト平均法は定額購入法になり、時間分散の有効手段のひとつとして活用されることが多いです。 定量購入法は、毎回一定量を購入していく方法です。例えば株式を毎回100株ずつ何回にも分けて購入していきます。それに対し、定額購入法はドルコスト平均法といわれ毎回一定額を購入していく方法です。例えば毎月1万円を積立て、1万円で買えるだけの数量を購入していきます。


【中長期投資に魅力的な積み立て方法~ドルコスト平均法~】



ドルコスト平均法は、時間分散効果を得られる方法です。中長期投資でリスクを抑制し、安定した収益を得る手法として有効と考えています。また、定量購入より平均取得額を下げられるという特徴があります。上記の表は、同じ商品に同じタイミングで同じ回数投資し投資金額の合計が同額になった場合の定量購入法とドルコスト平均法(定額購入法)の違いです。同じ商品に投資をしたとしても方法が異なると結果も変わります。「どんな金融商品に投資するのか」も重要かもしれませんが、「どのような方法で投資をしていくのか」を考える事も重要です。しかし、ドルコスト平均法にも、デメリットはあります。一本調子で上がっていく相場では平均取得額がかえって高くなってしまいます。また、短期でハイリターンを目指す投資には向きません。あくまでも中長期で資産形成をしていく上で有効な投資方法になると言えます。

【外貨建て商品のドルコスト平均法】


外貨建て商品についてもドルコスト平均法か定量購入法かで状況は変わってきます。毎回1万円積立て、その時の為替で買える分のドルを購入していくものはドルコスト平均法になり、毎月一定額のドルをその時の為替で購入していくものは定量購入法となります。下記は、過去10年間毎月月末にドルの積立てをし、合計120万円積立てた場合のドルコスト平均法と定量購入法の違いです。(為替交換手数料等は考慮していません。)このケースですと、定量購入法とドルコスト平均法では平均取得価額が2円程度も差が出ました。月初、月中では多少違う結果がでますが、長期投資では、ドルコスト平均法の方が平均取得価額を下げられる効果があります。

長期投資では、ドルコスト平均法は有効な投資方法になります。ドルコスト平均法は積立投資信託や、るいとう(株式累積投資)などで活用できます。資産形成の手段として上手に活用していきましょう。

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